
「日本映画DVDセレクション」立ち上げ初となる第1回は3月23日、生誕100年を迎える黒澤明監督を偲び、「黒澤明監督」特集を企画しました。

現在、黒澤映画は全30作品ほか、脚本作品が各社からDVD、Blu-rayでラインナップされています。日本映画界が誇る世界の巨匠、黒澤明監督の作品群が自宅にいながら手軽に繰り返し鑑賞できるのは、やはりDVDやBlu-rayの環境が整った今の時代の特権。中でも次世代高画質映像メディアのBlu-rayにはモノクロ・フィルム映像のフル再現に功を発する特性もあるだけに、モノクロ映画が多い黒澤映画はうってつけの素材ともいえるでしょう。

もちろん、DVDならではの魅力も満載! その多くには、充実した映像特典が収録されています。各作品の出演者やスタッフが当時のエピソードなどを振り返る回顧録は、今だから話せる内容も多く、また今となっては収録後に鬼籍に入られた方も何人かいらっしゃるので、その意味でも二度と録れない貴重な証言集ともいえるでしょう。
妥協しない黒澤監督映画の本質
そして『天国と地獄』(63)。最近の監督はモニタを見ながら撮るでしょう? 黒澤組は一週間撮り終わった後、皆でラッシュを見るんですね。 ドキドキしながら。「あぁダメだった、もう一度撮り直し!」と言われることも随分ありました。 一つの画面に10人ぐらい入る撮影だと、立ち位置をきっちり決めるんですが、 そのためのリハーサルも一週間。キャメラも4台くらい使いましてね。助監督さん全部が僕や三船さんの役、 刑事役の台詞を全部覚えてリハーサルし、その後、役者が乗り込んで一週間稽古する。それから1シーン撮るんですから、 物凄く時間がかかったし緊張感もあった。今はモニタを見ながらだから随分楽になりましたよ。 しかし、なんか肌合いが違うなと。僕だけかも知れませんが、それだと映画の質感自体が違う感じがするんです。
一貫して黒澤監督は「客が入らなくても俺が作りたいものを作るんだ」とおっしゃっていましたが、 映画も演劇も本質はそうかも知れません。とはいえ、全く興行のことを気にされていないわけでもなく、 「これはお客が呼べるのかな」と心配そうな顔をされているのも何度かお見かけしました。実際、『乱』(85)の時は、 お金を出してくれるところがなかなかなく、資金集めに苦労されていましたね。あの強気の監督が「もうダメだ」と弱音を吐かれることも。 世界がひれ伏した、あの黒澤明ですよ。行政が「世界のクロサワ」のために何らかの経済的補助があっても良かったのではないか? その後も「大きい作品を撮りたい」とおっしゃっていましたが、思う存分とまでは実現しなかった印象で、気の毒でした。 やはり50~60年代は、黒澤監督のようなエースには時間とお金を惜しまず、思うがままに作らせたから日本映画は伸びたのでしょう。 そんな時代を牽引した黒澤監督と一緒に仕事をしていたことが僕の自慢であり、それが役者としての価値だと思いますね。

なかだい・たつや/1932年、東京生まれ。
52年、千歳高校卒業後、養成所を経て俳優座に入団。 54年、舞台『幽霊』で俳優デビュー。本格的な映画デビューは56年『火の鳥』。62年『切腹』『椿三十郎』でキネマ旬報男優賞を受賞。 その後も映画、舞台、TVと幅広く活躍、国際的評価も高い。07年、文化功労者を受章。3月18日~20日、東京芸術劇場にて『ジョン・ガブリエルと呼ばれた男』が上演。 5月より主演作『春との旅』(小林政広監督)がティ・ジョイ、アスミック・エース エンタテインメント配給にて公開。

世界からリスペクトされる黒澤明関連作
会場がどよめいた「私はまだ映画がよく分かっていない」
このように、世界中に多大な影響を与え続ける黒澤監督に、11年前、『ドライビング Miss デイジー』が作品賞に輝いた1989年、「誰もが世界最高と認める映画人に贈られる」特別名誉賞が贈られました。プレゼンターはスティーヴン・スピルバーグとジョージ・ルーカス! 「黒澤監督にお答えいただいた共通のテーマは“人間の普遍的な幸福”。この思想は壮大な作品の中で息づき、悲劇的な美しさを讃えた人間の姿を赤裸々に描き出しています」と、二人は黒澤監督の代表作『乱』『影武者』『七人の侍』『羅生門』『蜘蛛巣城』『どん底』『用心棒』『どですかでん』を全世界に向けてモニターで紹介。
本年度、第82回アカデミー賞授賞式は3月8日。受賞作品の話題で盛り上がるこの時期だからこそ思いを馳せたい、後世に残る黒澤監督の受賞にあたっての感動的スピーチを丸ごと掲載します。
「芸術家であるならば物事から目をそむけてはいけない」
「狂気の世界では狂気のみが正気である」
By 黒澤明
「このような大変立派な賞をいただいて誠に光栄に思います。しかし、果たして私がそれに値するかどうか、 少し心配です。なぜなら私はまだ映画がよく分かっていない(場内、この発言にどよめき)。
その、映画というものをまだしっかりつかんでいないような気がするからです。映画というのは素晴らしい。 しかし、この素晴らしく美しいものを掴むのは大変難しい。しかし私はこれからも、この映画という素晴らしいものを掴むために全力を尽くすつもりです。 それがこの賞に応える一番いい方法だと思うからです(その後、割れんばかりの拍手&喝采)」
※3月27日/4月3日/4月10日にそれぞれトークショーあり。
ゲスト:加山雄三・仲代達矢・香川京子
聞き手:野上照代
メディア/品番:DVD DA-0719
発売日:2005.08.27
発売/販売:松竹
税込価格:\3,990
本編尺:105分
カラー/画面サイズ:モノクロ/スタンダード
音声:モノラル
メディア/品番:Blu-ray DAXA-1101
発売日:2009.02.06
発売/販売:角川映画
税込価格:\4,935
本編尺:88分
カラー/画面サイズ:モノクロ/スタンダード
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DA-0720
発売日:2005.08.27
発売/販売:松竹
税込価格:\3,990
本編尺:166分
カラー/画面サイズ:モノクロ/スタンダード
音声:モノラル
メディア/品番:Blu-ray TBR19221D
発売日:2009.10.23
発売/販売:東宝
税込価格:\4,935
本編尺:207分
カラー/画面サイズ:モノクロ/スタンダード
音声:①モノラル(リニアPCM) ②ドルビーサラウンド(91年版/リニアPCM) ③5.1ch Remix(ドルビーTrueHD)
メディア/品番:Blu-ray TBR19232D
発売日:2009.12.18
発売/販売:東宝
税込価格:\4,935
本編尺:139分
カラー/画面サイズ:モノクロ/シネスコ
音声:①モノラル(リニアPCM) ②3.0ch(リニアPCM) ③5.1ch Remix(ドルビーTrueHD)
メディア/品番:Blu-ray TBR19228D
発売日:2009.12.18
発売/販売:東宝
税込価格:\4,935
本編尺:110分
カラー/画面サイズ:モノクロ/シネスコ
音声:①モノラル(リニアPCM) ②3.0ch(リニアPCM) ③5.1ch Remix(ドルビーTrueHD)
メディア/品番:Blu-ray TBR19225D
発売日:2009.10.23
発売/販売:東宝
税込価格:\4,935
本編尺:96分
カラー/画面サイズ:モノクロ/シネスコ
音声:①モノラル(リニアPCM) ②3.0ch(リニアPCM) ③5.1ch Remix(ドルビーTrueHD)
メディア/品番:Blu-ray TBR19235D
発売日:2010.02.19
発売/販売:東宝
税込価格:\4,935
本編尺:143分
カラー/画面サイズ:モノクロ(パートカラー)/シネスコ
音声:①4.0ch(リニアPCM) ②2.0ch Remix(ドルビーTrueHD)
メディア/品番:Blu-ray TBR19222D
発売日:2009.10.23
発売/販売:東宝
税込価格:\4,935
本編尺:179分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:4.0ch(リニアPCM)
メディア/品番:Blu-ray DAXA-1105
発売日:2009.05.29
発売/販売:角川映画
税込価格:\4,935
本編尺:162分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:4.0chサラウンド(リニアPCM)
八月の狂詩曲(ラプソディー)
メディア/品番:DVD DA-0721
発売日:2005.08.27
発売/販売:松竹
税込価格:\3,990
本編尺:98分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:サラウンド
メディア/品番:Blu-ray DAXA-1106
発売日:2009.05.29
発売/販売:角川映画
税込価格:\4,935
本編尺:134分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:2.0chステレオ(リニアPCM)
メディア/品番:DVD DSTD02757
発売日:2008.01.21
発売:東映ビデオ/販売:東映
税込価格:\4,725
本編尺:104
カラー/画面サイズ:モノクロ/スタンダード
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DSTD02189
発売日:2003.05.21
発売:東映ビデオ/販売:東映
税込価格:\4,725
本編尺:99分
カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DVN-22
発売日:2003.12.19
発売:日活/販売:ハピネット
税込価格:\4,935
本編尺:111分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:ドルビーステレオ