お知らせ
2010.08.20

第12回 特集 掲載開始
日本映画史をDVDで振り返る 第7回『1987年』

2010.08.05

第11回 特集 掲載開始
日本映画から第二次世界大戦を知る

2010.07.20

第10回 特集 掲載開始
日本映画史をDVDで振り返る 第6回『1969年』

過去のお知らせ
2010.07.05

第9回 特集 掲載開始
加山雄三デビュー50周年記念 ニッポンが憧れ、追いかけたヒーロー

2010.06.21

第8回 特集 掲載開始
日本映画史をDVDで振り返る
 第5回『1954年』

2010.06.07

第7回 特集 掲載開始
女優がエロスで魅せる環境が整備される時

2010.05.20

第6回 特集 掲載開始
日本映画史をDVDで振り返る
 第4回『1985年』

2010.05.06

第5回 特集 掲載開始
「山崎豊子原作」作品特集

2010.04.20

第4回 特集 掲載開始
日本映画史をDVDで振り返る
 第3回『1965年』

2010.04.05

第3回 特集 掲載開始
日本映画史をDVDで振り返る
 第2回『1978年』

2010.03.23

第2回 特集 掲載開始
日本映画史をDVDで振り返る
 第1回『1958年』

2010.03.05

第1回 特集 掲載開始
生誕100年記念 DVDで甦る 黒澤明監督が残してくれた遺産

2010.03.05

これから耳寄りな情報を皆様にお届けします。

まずは会員登録を!無料です。


-第4回 特集- : 日本映画史をDVDで振り返る

-第4回 特集- : 日本映画史をDVDで振り返る 第3回目「1965年(昭和40年)」

 角川映画、松竹、東映、東宝、日活――5社の協力で贈る「日本映画DVDセレクション」。第4回目は日本映画史をDVDで振り返る企画第3弾として、「1965年」を特集しました。前回同様、ここでご紹介している作品のほとんどは各社よりDVDが発売されています。名画座に足を運ばなければならなかった数年前とは異なり、手軽に日本映画史に残る数々の作品に触れることができるのは、やはりDVD環境が揃った今の時代の特権でしょう。この特集から当時の日本映画界の状況を知り、作品への興味を持っていただければ幸いです。

真のヒューマニズムとは何かが問われた年

日本列島

日本列島

 黒澤明監督の『赤ひげ』がキネマ旬報ベスト・ワンとなった1965年ですが、実は黒澤監督がベスト・ワンに輝いた作品は、この作品と52年の『生きる』のみ。リアルタイムでの国内の黒澤映画の評価は、ダイナミズムよりもヒューマニズムを尊ぶ傾向にあったようで、事実この年は日本と韓国の国交がようやく正常化する一方、ヴェトナム戦争におけるアメリカの北爆が開始、マルコムXが暗殺されています。国内では、富士山頂に世界でも類を見ない画期的な気象レーダーが設置され(この模様は石原プロが後に『富士山頂』として映画化。残念ながらDVD未発売)、朝永振一郎がノーベル物理学賞を受賞したかと思うと、初のスモッグ警報が出されたりと、社会的にも科学文明的にも真のヒューマニズムとは何かが問われる年でもあったようです。

飢餓海峡

飢餓海峡

 また、山本薩夫監督の『にっぽん泥棒物語』や熊井啓監督の『日本列島』など、戦後のミステリアスな事件をモチーフにしながら、社会や政治の闇を突く作品も目立ってきます。『飢餓海峡』もその中の1本でしょう。山田洋次監督作品としては異質ともいえる社会派サスペンス映画『霧の旗』もこの年。無実の罪で獄死した兄の弁護を断った弁護士にヒロインが復讐する陰惨な物語でした。その原作者である社会派ミステリ小説の大家・松本清張ものも、この年に公開された作品には他に『けものみち』『花実のない森』があります。“戦後最大の誘拐事件”とも騒がれた吉展ちゃん事件の犯人が逮捕されたのもこの年ですが、吉展ちゃんはすでに帰らぬ人となっていました。

任侠スターと青春・娯楽映画スター

 こうした社会的閉塞感に立ち向かうかのように、日本映画界では任侠やくざ映画が急速に台頭してきます。義理と人情で害悪と対峙するニヒリズムとヒロイズムが混じり合う侠客たちの雄姿は当時の学生たちの熱い支持を集め、いつしか彼らの政治運動の象徴ともなっていきます。その筆頭となったのは東映の高倉健で、64年に始まった『日本侠客伝』シリーズに続き、この年は『昭和残侠伝』『網走番外地』と彼の人気を決定付ける新たなシリーズがスタート。さらには『宮本武蔵 巌流島の決斗』『飢餓海峡』と内田吐夢監督作品に連続出演するなど、映画スターとして大いに飛躍した年だったと言えるでしょう。

忍びの者

忍びの者

 大映でも時代劇スター市川雷蔵が『眠狂四郎』シリーズや『忍びの者』シリーズ、『剣鬼』などの時代劇に出つつも『若親分』シリーズを、勝新太郎も時代劇『座頭市』シリーズや任侠『悪名』シリーズに加え、軍隊ものとやくざものをドッキングさせた『兵隊やくざ』シリーズを開始しています。  また松竹では、前年に篠田正浩監督が石原慎太郎・原作の『乾いた花』(64)を映画化していますが、これは出所したインテリやくざ(池辺良)が小悪魔的ヒロイン(加賀まりこ)に翻弄されていくヌーヴェルヴァーグ風文芸任侠映画として大いに異彩を放っており、ある意味任侠映画ブームの先駆けともいえるものでした。

 これらとは真逆に位置するヒーローもいました。加山雄三が扮する田沼雄一こと“若大将”です。特にこの年はエレキ・ギターがブームとなり、その波と加山人気をドッキングさせた『エレキの若大将』は爆発的ヒットを記録。また同じ東宝ではクレージーキャッツ結成10周年記念映画『大冒険』も大当たりしていますが、混沌としてゆく社会情勢ゆえ、逆に明朗健全で楽しい作品を求めようという映画ファンの心理も確実にあったようです。

光と闇が絡み合う混沌とした時代を背景に

 ソ連宇宙飛行士による人類初の宇宙遊泳がなされたのもこの年ですが、それを受けてか日本でもちょっとした宇宙ブームとなり、『宇宙パトロールホッパ』『宇宙少年ソラン』『宇宙エース』など、やたら“宇宙”を冠にしたタイトルのTVアニメがこの年はオンエアされています。東映動画でも長編アニメ映画『ガリバーの宇宙旅行』を製作。ご存じゴジラも『怪獣大戦争』で何と月へ連れていかれてキングギドラと格闘します。

 怪獣映画の流れでは、大映がガメラ・シリーズ第1作『大怪獣ガメラ』を発表。やがて日本中が66年の「ウルトラQ」「ウルトラマン」の大ヒットに至る第一次怪獣ブームへと突入していきます。また『宇宙大戦争』では、人類が科学と叡智をもって異星人ナタールの侵略を見事に退けました(もちろんフィクションです)。

 64年の東京オリンピックの模様を収めたドキュメンタリー映画『東京オリンピック』も、市川崑総監督ならではの技巧を凝らしたシャープな演出によって「記録か芸術か」と日本中を騒然とさせる社会現象を巻き起こしました。オリンピックという華やかさがもたらした混乱の事象、これこそ社会の光と闇が絡み合う65年を象徴していたのかもしれません(なお、『東京オリンピック』DVDは劇場初公開版と、後に市川監督のたっての希望で自身が再編集したディレクターズ・カットの2ヴァージョンが収められているのがお楽しみです)。

怪談

怪談

 芸術といえば、小林正樹監督の『怪談』がカンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞。これも闇の世界を魅惑的な色彩美で描ききることで世界の喝采=光を浴びた、不可思議な混沌の一例といえましょうか。

美しさと哀しみと

美しさと哀しみと

篠田正浩監督の『美しさと哀しみと』も耽美なタッチの中に愛と憎しみが混在していますが、だからこそ大庭秀雄監督作品『雪国』のようなオーソドックスな文芸映画に接すると、どこかほっとするものもあるのも事実でしょう。

 日活の看板スター、石原裕次郎の登板は異色時代劇『城取り』と兄・石原慎太郎原作の『青春とはなんだ』くらいで、代わって『黒い賭博師』シリーズや『マカオの竜』など小林旭主演のアクション映画群が大きく気を吐き、続いて二谷英明や宍戸錠、さらには高橋英樹や渡哲也ら次世代若手スターがそれに続く図式と化してきました。その一方で、同社が配給した武智鉄二監督の『黒い雪』が猥褻容疑で警視庁に摘発されていますが、思えば非合法のブルーフィルムが裏社会に流通し始めたのも、大人のTV番組の原点ともいえる『11PM』が始まったのもこの年。その意味でも60年代の半ばとは、社会とエロスが徐々に接近していくとともにきしみあっていく黎明期だったのかもしれません。そしてこの6年後、日活はロマンポルノ路線へと大きく転換していくのです。(文=増當竜也)

情報

キネマ旬報ベスト・テン
1.
赤ひげ(黒澤明監督)
2.
東京オリンピック(市川崑監督)
3.
日本列島(熊井啓監督)
4.
にっぽん泥棒物語(山本薩夫監督)
5.
証人の椅子(山本薩夫監督)
6.
冷飯とおさんとちゃん(田坂具隆監督)
7.
恐山の女(五所平之助監督)
8.
ブワナ・トシの歌(羽仁進監督)
9.
悪党(新藤兼人監督)
10.
水で書かれた物語(吉田喜重監督)
興行ベスト・テン(配収)
1.
赤ひげ 3億6159万円
2.
3.
関東果し状 2億5185万円
4.
5.
6.
続・網走番外地 2億2376万円
7.
大冒険 2億1851万円
8.
無責任清水港 1億8776万円
9.
怪獣大戦争 1億8755万円
10.
四つの恋の物語 1億8000万円
65年4月~66年3月

関連作品紹介

網走番外地

メディア/品番:DVD DSTD 02061

発売日:2002.07.21

発売:東映ビデオ/販売:東映

税込価格:\4,725

収録時間:92分

カラー/画面サイズ:モノクロ/16:9LB(シネスコ)

音声:モノラル

■映像特典:フォトギャラリー、予告篇
美しさと哀しみと

メディア/品番:DVD DA-0476

発売日:2004.12.23

発売/販売:松竹

税込価格:\3,990

収録時間:106分

カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ

音声:モノラル

■映像特典:予告篇

エレキの若大将

メディア/品番:DVD TDV16206R

発売日:2005.06.24

発売/販売:東宝

税込価格:\4,725

本編尺:94分

カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ

音声:①モノラル ②オーディオコメンタリー

■特典映像:若大将スペシャル「コリドー通りの若大将」/オーディオコメンタリー:中真千子/馬場康夫(ホイチョイプロダクション)
怪談

メディア/品番:DVD TDV2721D

発売日:2003.06.21

発売/販売:東宝

税込価格:\6,300

本編尺:本編182分+映像特典18分

カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ

音声:モノラル

■映像特典:特報(カラー版/モノクロ版)/予告篇/怪談の面影~小泉八雲の愛したもの(12分)

飢餓海峡

メディア/品番:DVD DSTD 02101

発売日:2002.07.21

発売:東映ビデオ/販売:東映

税込価格:\4,725

収録時間:183分

カラー/画面サイズ:モノクロ/16:9LB(シネスコ)

音声:モノラル

■映像特典:フォトギャラリー、予告篇
北国の街

メディア/品番:DVD DVN-150

発売日:2007.5.3

発売:日活/販売:ハピネット

税込価格:\4,935

本編尺:92分

カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ

音声:モノラル

■父ひとり子ひとり、職人の息子である青年と、経済的に恵まれた少女の淡い恋。 ところが彼女が白血病に冒されていることがわかり…。 特典:静止画スチール写真+作品データ

霧の旗

メディア/品番:DVD DA-0665

発売日:2002.07.21

発売/販売:松竹

税込価格:\3,990

収録時間:111分

カラー/画面サイズ:モノクロ/シネスコ

音声:モノラル

■映像特典:特報/予告篇集/山田洋次監督 自作を語る、日本語字幕あり
クレージーキャッツ結成10周年記念作品 大冒険

メディア/品番:DVD TDV15294D

発売日:2005.09.30

発売/販売:東宝

税込価格:\4,725

本編尺:107分

カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ

音声:①モノラル ②5.1ch(2001Remix) ③オーディオコメンタリー ④BGM&SONGトラック

■特典:オーディオコメンタリー谷啓他

21703

メディア/品番:DVD DVN-87

発売日:2005.1.21

発売:日活/販売:ハピネット

税込価格:\2,940

本編尺:86分

カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ

音声:モノラル

■中平康が小林旭と組んだコミック・アクション。007風味のプレイボーイ・スパイ系譜のヒーローとして、新たな小林旭の魅力を知るには、絶対オススメの1本!特典:予告篇/フォトギャラリー/リバーシブル・ジャケット
忍びの者

メディア/品番:DVD DABA-0447

発売日:2008.1.25

発売/販売:角川映画

税込価格:¥3,990

本編尺:104分

カラー/画面サイズ:カラー/スコープサイズ

音声:モノラル

■忍法のリアルな描写が喝采を浴び、日本中に空前の忍者ブームを巻き起こした市川雷蔵主演の時代劇巨編「忍びの者」シリーズ1作目!

昭和残侠伝

メディア/品番:DVD DSTD 02082

発売日:2002.07.21

発売:東映ビデオ/販売:東映

税込価格:\4,725

収録時間:91分

カラー/画面サイズ:カラー/16:9LB(シネスコ)

音声:モノラル

■映像特典:フォトギャラリー、予告篇
日本列島

メディア/品番:DVD DVN-170

発売日:2007.12.14

発売:日活/販売:ハピネット

税込価格:\4,935

本編尺:116分

カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ

音声:モノラル

■CIAの謀略か!?実在の未解決事件を題材に、大胆な仮説を交えて描くミステリー!!踊る大捜査線シリーズにも影響を与えたとされる鬼才・熊井啓の傑作!特典:予告篇/作品データ/フォトギャラリー

兵隊やくざ

メディア/品番:DVD DABA-0169/DABA-0170

発売日:2005.6.24

発売/販売:角川映画 ※単品も発売中

税込価格:各¥16,800

本編尺:上巻367分 下巻346分

カラー/画面サイズ:モノクロ/スコープサイズ

音声:モノラル

■勝新太郎代表作!旧陸軍を舞台に、奔放な二等兵・大宮(勝新太郎)とインテリ上等兵・有田(田村高廣)の奇妙な友情物語!
雪国

メディア/品番:DVD DA-0475

発売日:2002.07.21

発売/販売:松竹

税込価格:\3,990

収録時間:113分

カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ

音声:モノラル

■映像特典:予告篇/シネマ紀行 

若親分

メディア/品番:DVD DABA-0668

発売日:2009.12.25

発売/販売:角川映画

税込価格:¥4,725

本編尺:86分

カラー/画面サイズ:カラー/スコープサイズ

音声:モノラル

■市川雷蔵人気シリーズ1作目。軍服姿から一転、家業を継いでやくざ一代を襲名するや、刺青姿に長ドス構え大暴れ!

トップページに戻る

Copyright(c) 2005-2010 Kinema-Junpo,Co.,Ltd. All rights reserved.