2011.12.14
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角川映画、松竹、東映、東宝、日活――5社の協力で贈る「日本映画DVDセレクション」。第23回目は日本映画史をDVDで振り返る企画第11弾として、「1980年」を特集しました。この年の映画界10大ニュースを見ると、「影武者」がカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞、“日活ポルノ裁判”で東京高裁が検察側の上告を棄却し一審無罪が確定、春休みに「ドラえもん」「あしたのジョー」など空前のアニメ・ラッシュ、製作―上映の“産地直送方式”を目指すシネマ・プラセットが銀色ドームによる特設映画館で「ツィゴイネルワイゼン」を公開(本作はこの年のキネマ旬報ベスト・テン第1位に)、東映57期決算で映画部門の収益が全体の50%を割る、好況だった夏興行までに比べ秋は極端な不振に陥る、山口百恵結婚で「古都」を最後に引退――など、映画史の中でも特筆すべき大きな動きがありました。日本映画5社の作品群からも、当時の日本映画界の大きな流れが見えてきます。そこで、5社の公開作品のDVDから当時の日本映画界を振り返り、作品への興味を深めていただければ幸いです。

“1980年は「動乱」から始まる”――これは1980年に入って初めて公開された日本映画「動乱」のキャッチコピーでしたが、まさにこの年、いや80年代そのものが、日本映画界において“動乱”そのものであったとも言えましょう。
森谷司郎監督による映画「動乱」は226事件を題材に、高倉健と吉永小百合の二大スター夢の共演で送る大作映画でした。東映は本作でこの年、好調なスタートを切り、この後も日露戦争を題材にした舛田利雄監督の戦争映画「二百三高地」や、工藤栄一監督「影の軍団 服部半蔵」、山下耕作監督「徳川一族の崩壊」、鈴木則文監督「忍者武芸帳 百地三太夫」といった時代劇路線の作品を公開します。さらに、同じ80年に公開された東陽一監督の「四季・奈津子」はシナリオを作らず、五木寛之の原作小説そのものを台本として撮影するという異例の製作法を採り、話題になりました。

東宝では70年の「どですかでん」以来、黒澤明監督久々の日本映画「影武者」(75年にソ連映画「デルス・ウザーラ」を監督)を公開。主演が勝新太郎から仲代達矢へ、音楽が佐藤勝から池辺晋一郎へ、といったトラブル交代劇にも見舞われながら、ジョージ・ルーカスとフランシス・コッポラの国境を越えた協力を得て完成した絢爛豪華な時代絵巻は、カンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞するとともに、巨匠の貫録を改めて広く世界に知らしめることになりました。
また、東宝ならではの特撮を駆使した大森健次郎監督によるパニック映画「地震列島」も製作されています。もし東京に直下型大地震が起きたらというリアル・シミュレーションは、東京のみならず日本中の人々を震撼せしめるほどのインパクトがありました。

同年、角川映画も深作欣二監督による国際パニック超大作「復活の日」を完成しています。ハリウッド・スターを大挙揃え、南極をはじめ世界各国の長期ロケ、ジャニス・イアンの主題歌など話題にも事欠かないこの作品は細菌兵器をモチーフにしていますが、昨今の新型ウィルスによる世界的猛威の数々をニュースなどで接するにつけ、この作品のリアリティを痛感させられたりもしてなりません。
松竹は山根成之監督「五番町夕霧楼」、野村芳太郎監督「わるいやつら」といった主演・松坂慶子のスター性を主体とした大作群を発表。やはり、当時の彼女の妖艶なエロティシズムは特筆的なものがあり、多くの男性ファンを魅了しました。

また「幸福の黄色いハンカチ」に続き、山田洋次監督&高倉健主演のコンビで送る「遙かなる山の呼び声」は、アメリカ映画「シェーン」を下敷きにしたとも思しきヒューマン・ラブストーリーの秀作。ノーメイクで役に臨んだ倍賞千恵子も好演でした。
そして、山田作品と言えば、ご存じ“寅さん”。シリーズ第25作「男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花」は、寅さんにとって運命的マドンナともいえる浅丘ルリ子扮するリリーが三度目の登場、シリーズ屈指の出来となっています。主演・渥美清が死去した後の97年には、本作を再編集した「特別版」も製作されました。
一方、木下惠介監督の「父よ母よ!」は当時の不良少年少女たちの実態を描いた作品ですが、単なる社会派作品というよりも、ドキュメンタリー的な手法からアニメーションまで導入した実験的要素の多い、この巨匠ならではの野心作となっています。
アニメーションでは、80年も「地球へ…」「ヤマトよ永遠に」「サイボーグ009 超銀河伝説」「火の鳥2772 愛のコスモゾーン」などの劇場用長編アニメーション映画が多数製作されていますが、中でも特筆すべきは「ドラえもん のび太の恐竜」でしょう。大人から子どもまで大人気の“ドラえもん”、その劇場版第1作ですが、まさか世紀をまたいで今なお続く一大長寿シリーズになろうとは、このとき誰も想像していなかったことでしょう。
最後に、日活(当時はにっかつ)では神代辰巳監督の「少女娼婦けものみち」「快楽学園禁じられた遊び」などロマンポルノの秀作が世に出る一方、曽根中生監督「元祖大四畳半大物語」、小澤啓一監督「鉄騎兵、跳んだ」、小原宏裕監督「桃尻娘プロポーズ大作戦」、白鳥信一監督「おさな妻」といった一般映画も製作されていますが、「桃尻娘」シリーズの第1、2作はロマンポルノとして作られていることからも、本作をマイルド仕様にしてシリーズのファンを学生層まで広げようという制作側の意図がうかがえます。
メディア/品番:DVD BBBN-2005
発売日:2010.6.25
発売:日活/販売:ハピネット
税込価格:\ 29,40
本編尺:67分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DB-0525
発売日:2008.10.09
発売/販売:松竹
税込価格:\3,990
本編尺:104分
カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DABA-0770
発売日:2011.01.28
発売/販売:角川
税込価格:\2,940
本編尺:97分
カラー/画面サイズ:カラー/16:9(LB)ビスタ
音声:モノラル
■特典:予告篇
メディア/品番:DVD DSTD02154
発売日:2003.02.21
発売:東映ビデオ/販売:東映
税込価格:\4,725
本編尺:119分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD BBBNー2019
発売日:2011.03.04
発売:日活/販売:ハピネット
税込価格:\3,990
本編尺:69分
カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DA-0556
発売日:2005.11.26
発売/販売:松竹
税込価格:\35,000
本編尺:823分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DSTD02587
発売日:2006.08.04
発売:東映ビデオ/販売:東映
税込価格:\4,725
本編尺:150分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DSTD02311
発売日:2003.02.21
発売:東映ビデオ/販売:東映
税込価格:\4,725
本編尺:184分
カラー/画面サイズ:カラー/ビスタ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DA-0628
発売日:2005.04.28
発売/販売:松竹
税込価格:\3,990
本編尺:124分
カラー/画面サイズ:カラー/シネスコ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DABA-0769
発売日:2011.01.28
発売/販売:角川
税込価格:\2,940
本編尺:155分
カラー/画面サイズ:カラー/16:9(LB)ビスタ
音声:モノラル
メディア/品番:DVD DABA-0645
発売日:2009.10.23
発売/販売:角川
税込価格:\2,940
本編尺:118分
カラー/画面サイズ:カラー/16:9LB(シネスコ)
音声:モノラル
メディア/品番:DVD BBBN-3008
発売日:2011.03.04
発売:日活/販売:ハピネット
税込価格:\5,040
本編尺:97分
カラー/画面サイズ:カラー/16:9LB(シネスコ)
音声:モノラル